コアヌードルとは
背骨を支える筋肉と、固有受容覚と呼ばれる感覚を、適正な姿勢でONにする運動ツールです。腰痛では背骨の不安定性、固有受容覚の機能不全、全身の筋緊張、関節や筋膜のこわばりを一つ一つ取り除くことを目指します。
コアヌードルは深部体幹筋を促通*する器具として開発されました。本器具は、柔らかい2列の専用樹脂を並列に繋げたもので、その上で運動をすることによって深部体幹筋の促通を促します。理学療法で行われる固有受容性神経筋促通法を、様々なバリエーションで一人で反復できる多目的な運動なツールです。
*促通・・神経系または神経筋の接合部に複数の刺激を加えると、その効果が単独の刺激の効果の和よりも大きくなる現象
不安定な背骨が関わる主な腰痛としては、脊柱管狭窄症、変性すべり症、変形性脊椎症、椎間関節症、椎間板症腰椎分離 / すべり症、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛などがあります。
コアヌードルの開発にあたって
稲葉晃子 ロマージュ株式会社 代表取締役
バレーボール選手のときからの腰痛は、40歳を前に悪化し間欠跛行が始まりました。医師の診断は腰椎分離すべり症、直ぐに手術を勧められました。背骨にボルトを埋め込む手術など絶対に避けたい、その一心で様々な治療法・運動法を試しましたが、痛みと痺れはいっこうに消えず、何度も諦めかけるほどでした。しかし、あれから今日まで、私は腰痛の手術無しに活発に毎日を過ごすことができています。
そもそも分離すべり症となった理由は、バレーボールでスパイクを打つ時に無理な反りを何度も繰り返していたからです。腰椎は約15度、胸椎は20~25度くらいまで本来反ることが出来ますが、私は猫背だったので胸椎を後ろに反らせることが難しく、その代わり腰を必要以上に反らしてスパイクを打ち続けました。激しいスポーツだからと思うかも知れませんが、スパイクに限らず、日常生活の些細な動きも積み重なれば、腰への負担は大きくなります。
私が手術を回避するに至った施行錯誤と経験を、今度は私と同じように腰痛で困っている方々に役立てたい、そう思いコアヌードルを考案しました。腰痛で苦しんだ経験があるからこそ、皆様に寄り添ったプログラムを提供したいと取り組んでいます。
“今や、日本人でアメリカの大学に留学し運動生理学や機能解剖学を学んだ人は珍しくない。しかし著者は、かつて日本を代表する女子バレーボール名門チームの選手で、全日本の代表選手でもあった。そんなアスリートが、セカンドキャリアとしてアメリカの大学で学び、NATAのトレーナー資格まで取得した例はそう多くないはずだ。これだけでも十分凄いが、さらに自らトレーニングを実践し、頚椎や腰椎、膝関節の手術を回避してきた原体験はすさまじい。
著者の興味深い数々のエピソードとともに本書で説かれる保存療法は、大学で修めた身体科学の基本に最新の理論が味付けされているという安心感と、自らの現場体験を踏まえた熱いこころの両面から導かれる。世の中には、数々の理由で手術を回避したい人は少なくない。そんな人々に保存療法の可能性を伝え、実行する勇気とチャンスを与えるのがいわば著者のミッションなのだ。もちろん保存療法にも限界がある。しかし、現在、自らの脊柱管狭窄症の治療で悩んでいる人、同症の患者と向き合う医療関係者には一度は手にとって読んで欲しい本だ。そして将来スポーツトレーナーを目指して勉強中の諸君には、先輩の苦労話とともにトレーナーという仕事の素晴らしさも味わって欲しい” 詳細
推薦:大久保 衞 (医)貴島会 ダイナミックスポーツ医学研究所顧問
コアヌードルで最初に試すこと
① 床に仰向けになり、体と床の着き具合を調べる。
背中、腰、お尻、脚、かかとと床の着き具合を調べる。※体がこわばり、床との接地が「面」ではなく「点」となっていないか?
腰に痛みや違和感がある ⇒ グループA へ
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腰再生5つのステップ
Step 1:腹式呼吸とともに力を抜く
コアヌードルの上で腹式呼吸とともにストレッチを行い、筋緊張の状態を少しずつ緩めていきます。腰痛を起こすと、患部を守るための防御性筋収縮が周囲に起こります。患部の炎症が治まってもギプス化した筋肉がそのままでは、隣接する筋や関節に負担が掛かり続け、別の痛みの誘発や腰痛を再発させてしまうことがあります。
大の字ストレッチ
介の字ストレッチ
Step 2:背骨を支える筋肉をONにする
腰痛や不良姿勢、過度の安静などで委縮した筋肉を繰り返し刺激し有効化します。
腹横筋を意識し有効化する
多裂筋を有効化する
Step 3:安定性の上に可動性を築く
動作前に安定性を先に作ることで、本来の可動性が発揮できます。この安定性の先行パターンには、関節や筋肉への無理な負担を防ぐ働きもあります。
腹部に安定性を作る
安定性に動作を加える
Step 4:背骨のGPSセンサーの機能回復
背骨まわりの空間知覚を正しい姿勢で刺激し有効化します。コアヌードルの2列の支えが背骨を適切な位置にガイドし、再発しない筋の使い方を習得します。
腹横筋を締めたまま空間知覚を刺激
安定性を作りながらGPSセンサーを再教育
Step 5:姿勢を支える筋膜を整える
部分的なケアから全身を踏まえたケアへ。 体中を覆う筋膜の流れに沿ってつっぱり感を緩め、全身の可動性を整えます。
背面の筋膜をゆるめる
対角にゆるめる
背骨の不安定性の発生とその進行
腰再生5つのステップでは、背骨の安定性を高めることが最も重要としています。
背骨はさまざまな原因で不安定になり、脊柱管狭窄症などの問題につながります。そのため、背骨の不安定性をいかに起こさせないかが、背骨の健康を維持する鍵となります。背骨の不安定性が起きる原因として、椎間板の小さな損傷から始まるとする、オーストラリアやイギリスで著名な理学療法士のSarah Key の著書 "Back Sufferers' Bible" はとても興味深い。
背骨を前部分の椎体と椎間板、後部分の椎弓と突起群の2つに分けて、背骨が不安定となる段階を順を追って説明しています。椎間板の生理学に則った詳細な各ステージの原因とその対処方法がとくに事細かく記載されてあります。ステージは5段階に分類され、腰痛の90%はステージ1であり、それより進行させないためには、背骨に適切な刺激を与える運動が有効としています。ステージが進むにつれ修復は難しくはなるが、そのうえでも適切な運動を行う必要性を説いています。
簡易なダイアグラムを以下に紹介します。
コアヌードルで大切にしていること
体へのこだわり
コアヌードルの考案者は、腰椎分離すべり症に長年苦しんだ経歴を持つ日本代表の元アスリート。神経質なまでに痛みの起こる動きに注意し「誰にでも簡単に効果が感じられるものを手軽に」という想いをそのままに、皆様の体に寄り添う心のこもった製品を心がけています。
安全性
医療施設の理学療法にも採用されているコアヌードル。その一番のコンセプトは安全性です。高さは約6cm、落下や関節を伸ばし過ぎる心配はありません。背骨を両側から支えることで、6cmの高さが作り出す腰・肩・首をゆるめる新感覚、自信と誇りを持ってお届けします。シンプルな製品だからこそのクオリティ、made in Japanの技術と専用の樹脂で、柔らかさ、弾力性、耐久性を追及しています。
自立への願い・社会への姿勢
私たちは健康面で制限や不安のある方々にも、可能な範囲で適度な負荷の運動をおすすめしています。あらゆる世代の一人ひとりが取り組む自己健康こそが時代の要請だと捉え、自ら運動に取り組まれている方、これから取り組もうとする方に役立つ情報と環境を整えることが、サステナブルな社会を目指す私たちの姿勢です。